20141116

「為せば成る 為さねば成らぬ成る業(わざ)を 成らぬと捨つる人のはかなき」

前回は上杉鷹山(うえすぎ ようざん)のご紹介をしました。

上杉鷹山が「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」と詠む前に、実は武田信玄が上記のように詠んでいることをご存知でしょうか。

武田信玄は、

「強い意志を持って取り組めば必ず実現できるが、行動しなければ何事も実現できない。努力すればできるのに、最初から無理と諦めてしまう、人の弱さよ」

という詠い、「人の心は弱いところもあるものだ」と、欠点をも受け入れるかのような表現です。

それに対し上杉鷹山が意味したところは、

「強い意志を持って取り組めば必ず実現できるのに、結果が伴わないのは、なし遂げようという意思が弱いからである」

と厳しめのお言葉。

どちらにも含蓄がありますね。

武田信玄の言うように、人間だれしも、弱い心をもっているものです。
それを認めてしまった上で、でも少しでも日々改善しようと努力することが、充実した人生を送るコツのようにも思えますし、上杉鷹山のように、「結果を出すまで意思を強くもつ」ことも同時に大切です。

経営者の皆さんは、従業員を抱える手前、鷹山のいうように強く意思をもち、組織を導かなくてはならないでしょう。しかし経営者といえども一人の人間。

そういう意味では、信玄の言葉を思い出し、「自分にも弱いところはある」と謙虚に認め、常に努力をするという人間力も、やはり必要なのかもしれません。

※写真はスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア
ガウディの「意思」は、彼が亡くなった今でも引き継がれ、完成に近づいています。
http://www.sagradafamilia.cat/

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